一般口座とは?メリットや確定申告など特定口座との違いを徹底比較! | Access Journal  

一般口座とは?メリットや確定申告など特定口座との違いを徹底比較!

このページのリンクにはプロモーションが含まれています。

一般口座を開設してみたいけれど「特定口座との違いがわからない」「一般口座の確定申告について具体的に知りたい」などと困っていませんか?

結論、「一般口座」とは、証券会社の口座の種類の一つで、自身で損益計算や確定申告を行う必要があるので、年間の投資収益が20万円以下で確定申告が不要の投資初心者の場合に適しています

この記事では、一般口座の基礎知識をわかりやすく解説した上で、一般口座と特定口座との違いをご説明し、一般口座の確定申告について以下の流れでご紹介します。

この記事を読めば、一般口座のメリット・デメリットがすぐにわかり、一般口座を開設した場合に必要な手続きを理解できるので、今後の投資活動で最大の利益を獲得する強力なサポートとなるでしょう。

1.一般口座とは?メリット・デメリットを徹底解説

結論、「一般口座」とは、証券会社の口座の種類の一つで、年間の投資活動による損益計算や確定申告・納税をすべて投資家自身で行う必要があります

そのため、一般口座を開設した場合は、自身で取引価格を調べたり年間の損益計算や確定申告をしたりと、複雑な納税手続きを行わなくてはなりません。

この章では、一般口座のメリット・デメリットについて以下でご紹介します。

1-1.メリット

結論、一般口座のメリットは、未公開株の取引ができる上に、年間の譲渡益と配当金が合計20万円以下の場合は、確定申告をする必要がありません

一般口座を開設するメリットを細かく分けると、以下2つです。

  • 年間の譲渡益と配当金が合計20万円以下だと確定申告不要
  • 未公開株の取引が可能

それぞれのメリットについて下記で詳しくご説明します。

年間の譲渡益と配当金が合計20万円以下だと確定申告不要

一般口座は、投資家自身で確定申告を行いますが、株式投資で得た譲渡益と配当金の合計額が年間20万円以下の場合は、所得控除が適応されるため、確定申告が不要です。

ただし、複数の証券口座を保有している場合など、全体の投資収益が年間20万円を超える場合は、必ず確定申告が必要なので注意しましょう。

未公開株の取引が可能

一般口座は、証券取引所に上場していない企業の未公開株銘柄を取引できます

なぜなら、未公開株は、証券取引所を介さずに、既存株主との当事者同士または一部の証券会社の取引となるため、特定口座の対象から外れているからです。

未公開株式の特徴や入手方法について、詳しく知りたい場合は「株とは」をご確認ください。

1-2.デメリット

結論、一般口座のデメリットは、年間の損益計算や確定申告などの複雑な事務手続きを投資家自身で行わなければならないことです。

一般口座を開設した場合に投資家自身が行う手続きは、以下3つです。

  • 譲渡損益の計算
  • 確定申告
  • 納税

そのため、複雑な納税手続きや確定申告の方法が不安な投資初心者の場合は、それらを証券会社が代行してくれる「特定口座(源泉徴収あり)」の開設がおすすめです。

一般口座の確定申告のやり方について、詳しく知りたい場合は「4.一般口座の確定申告のやり方」をご確認ください。

2.特定口座とは?

結論、「特定口座」とは、証券会社の口座の種類の一つで、投資活動による損益計算や確定申告・納税を投資家の代わりに証券会社が代行してくれる口座のことです。

特定口座には、以下2つの種類があります。

  • 特定口座(源泉徴収あり)
  • 特定口座(源泉徴収なし)

それぞれの違いについて、下記で簡単にご紹介します。

2-1.特定口座(源泉徴収あり)

「特定口座(源泉徴収あり)」を開設すると、年間譲渡損益の計算や納税などの事務手続きをすべて証券会社が行ってくれるので、自身で確定申告をする必要がありません

そのため、特定口座(源泉徴収あり)を開設疎た場合は、複雑な税手続きの手間を省くことができるので、投資初心者は「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶとよいでしょう。

特定口座(源泉徴収あり)の特徴やメリット・デメリットについて、詳しく知りたい場合は「特定口座」をご確認ください。

2-2.特定口座(源泉徴収なし)

「特定口座(源泉徴収なし)」を開設すると、年間譲渡損益の計算までは証券会社に代行してもらえますが、納税や確定申告は投資家自身で行う必要があります

そのため、年間の取引で利益を得た場合は投資家自身で確定申告を行わなければなりませんが、証券会社が作成してくれる「特定口座年間取引報告書」を使うと投資初心者でも簡単に確定申告ができます。

特定口座(源泉徴収なし)の特徴やメリット・デメリットについて、詳しく知りたい場合は「特定口座」をご確認ください。

※特定口座年間取引報告書とは

「特定口座年間取引報告書」とは、年間の譲渡損益など確定申告に必要な情報が記載された、証券会社が作成してくれる書類のことです。

特定口座年間取引報告書に記載されており、確定申告に必要な情報は以下5つです。

  1. 譲渡の対価の額:売り取引で得た収入の総額
  2. 取得費及び譲渡に要した費用の額等:買い取引時の金額と往復手数料の総額
  3. 配当金:企業から株主へ分配されて得る収入
  4. 源泉徴収税額:所得税・住民税の源泉徴収税額
  5. 差引金額:年間の譲渡損益

上記の情報をもとに、あなたが特定口座で行った取引の詳細を把握できるので、簡単に確定申告ができます。

3.一般口座と特定口座の違いを徹底比較

結論、「一般口座」と「特定口座」の大きな違いは、投資活動の譲渡損益の計算や確定申告を投資家自身で行うかどうかです

下記表では、それぞれの口座の違いを比較しました。

一般口座 特定口座
(源泉徴収あり)
特定口座
(源泉徴収なし)
譲渡損益の計算 投資家 証券会社 証券会社
納税 投資家 証券会社 投資家
確定申告 投資家 証券会社 投資家
特定口座年間取引報告書の発行 なし あり あり
未公開株の取り扱い あり なし なし

上記のように、一般口座は、各手続きを投資家自身で行う必要があるため、投資初心者の場合は、確定申告を代行してもらえる特定口座(源泉徴収あり)がおすすめです。

ただし、以下いずれかのパターンは一般口座の開設を視野に入れるとよいでしょう。

  • 未公開株の取引を行いたい
  • 年間の投資収益が合計20万円以下で確定申告が必要ない

特定口座の確定申告の流れについて、詳しく知りたい場合は、「特定口座」をご確認ください。

4.一般口座の確定申告のやり方

結論、一般口座は、取引ごとに発行される「取引報告書」をもとに譲渡損益を計算し、投資家自身で確定申告を行います

一般口座の確定申告について、以下2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 利益が出た場合
  • 損失が出た場合

それぞれの場合ごとの確定申告の手順について、下記で詳しく解説します。

4-1.利益が出た場合の確定申告6ステップ

一般口座の株取引で利益が出た場合は、投資家自身で収益を計算し、確定申告を行います

一般口座の確定申告の手順は以下6ステップです。

  • 取引の損益・税額の計算
  • 確定申告書B第一表の記入
  • 確定申告書B第二表の記入
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の記入
  • 申告書第三表の記入
  • 税務署に提出

手順に沿って下記で詳しくご説明します。

ステップ1|取引の損益・税額の計算

株取引の損益計算は、証券会社から送られてくる「取引報告書」をもとに、年間の譲渡損益を銘柄ごとに計算します。

基本的な譲渡損益の算出方法は、以下の通りです。

譲渡収入金額-(取得価額+譲渡手数料+負債利子+消費税+経費)

また、株取引で利益が出た場合は、課税対象となります。

課税が発生した場合の税額の算出方法は、以下の通りです。

年間利益 × 20.315%(=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

ただし、年間の投資収益が20万円以下または損失の場合は、確定申告をする必要がありません

ステップ2|確定申告書B第一表の記入

株式投資で得た利益を確定申告するには、「確定申告書B」を選択し、第一表で必要な情報を記入します。

確定申告書は、国税庁の窓口やサイトから専用の書類をダウンロードして用意しましょう。

確定申告書B第一表に記入する内容は、下記6つです。

  • 氏名や住所などの個人情報
  • 収入金額(投資活動で得た収入)
  • 所得金額:(会社員の場合は給与所得控除額)
  • 所得控除金額
  • 税金(課税所得に乗じた上で税額控除額を引く)
  • 税金の還付を受け取る金融機関口座

ステップ1で計算した年間の収益や税金の数値情報をもとに、記入欄を埋めていきましょう。

ステップ3|確定申告書B第二表の記入

「確定申告書B第二表」は、所得の内訳などを記入する書類のことで、主に第一表の詳細を記入します。

確定申告書B第二表に記入する内容は、下記3つです。

  • 所得の内訳(源泉徴収票の情報を転記)
  • 所得控除に関する事項(医療費や社会保険料などの所得控除)
  • 住民票・事業税に関する事項(住民税の徴収方法などの情報)

会社員の場合は、年末に就業先から受け取る源泉徴収票をもとに記入を進めましょう。

ステップ4|株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の記入

「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」には、証券会社から届く取引報告書をもとに損益を計算し、収入額や経費などを細かく記入します。

※株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書とは?

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」とは、主に株取引による収入を記載する書類です。

ステップ5|申告書第三表(分離課税用)の記入

「申告書第三表(分離課税用)」は、株取引で得た収入に課される税額を記載する書類のため、株取引で得た所得と給与所得で課税される所得金額を算出して記入します。

なぜなら、株取引で得た所得は、通常の給与所得とは別の税額を計算する必要があるからです。

ステップ6|税務署に提出

ステップ5までの記入がすべて終わったら、確定申告書類を直接または郵送で住民票のある住所地を管轄する税務署に提出し、確定申告手続きが完了となります。

ただし、確定申告の受付期間は、2/16~3/15迄となる上に、土日は閉庁している税務署もあるため、余裕を持って提出するよう注意しましょう

また、「e-Tax」というシステムでインターネット上で確定申告を行うことも可能です。

4-2.損失が出た場合

結論、一般口座の株取引で損失が出た場合は、確定申告の必要がありません

ただし、損失が出てもあえて確定申告をすると損失を翌年以降に繰越すことができ、翌年以降の所得から損失分を差し引いて相殺することで、納税額を少なくできます。

確定申告で損失を繰越すことを「繰越控除」といい、翌年以降最大3年間に渡り損益通算ができる制度となります。

まとめ

一般口座の基礎知識をわかりやすく解説した上で、一般口座と特定口座との違いをご説明し、一般口座の確定申告について紹介しましたが、いかがでしたか?

「一般口座」とは、証券会社の口座の種類の一つで、自身で損益計算や確定申告を行う必要があるので、年間の投資収益が20万円以下で確定申告が不要の投資初心者の場合に適しています

今回の記事を参考に、一般口座の特徴を理解し、あなたの投資活動に合った種類の口座が見つかることを祈っています。

5.一般口座でよくあるQ&A 3選

この章では、一般口座に関する代表的な疑問について解説します。

  1. 一般口座と特定口座は移管できる?
  2. 一般口座で確定申告を忘れるとどうなる?
  3. 特定口座と一般口座は併用できる?

一般口座の仕組みについて正しく理解することで、あなたの投資活動で最大限に利益を拡大するための選択肢を増やすことができます。

実際に一般口座を開設する前に確認しましょう。

5-1.一般口座と特定口座は移管できる?

結論、特定口座から一般口座への移管はできますが、一般口座から特定口座への移管は原則できません

なぜなら、一般口座から特定口座への移管制度は、すべての証券会社で2009年5月31日をもって終了しているからです。

また、特定口座で同一銘柄を複数保有し、一部を一般口座へ移管する場合、自動的に取得日が古い株式から移管されます。

※移管とは

「移管」とは、株式を保有している口座を変更することを指します。

5-2.一般口座で確定申告を忘れるとどうなる?

結論、一般口座で確定申告を忘れた場合は、税務署による調査が行われて罰則が与えられます

税務署による罰則は、以下5ついずれかです。

  1. 無申告加算税:期限内に確定申告しなかった場合に本来の税額に加算される税
  2. 過少申告加算税:確定申告で納税額を過少に申告した場合に増加分に加算される税
  3. 重加算税:確定申告で納税額を偽装・隠ぺいした場合に加算される税
  4. 不納付加算税:源泉所得税を期限内に納めなかった場合に加算される税
  5. 延滞税:各種税金を期限内に納めなかった場合に加算される税

上記の罰則を避けるためにも、投資活動で収益を得た場合は必ず期限内に確定申告を行いましょう。

5-3.特定口座と一般口座は併用できる?

結論、同じ証券会社内でも、特定口座と一般口座をそれぞれ併用できます

そのため、同じ証券会社で特定口座・一般口座それぞれを保有することができます。

ただし、特定口座と一般口座に同一銘柄を保有していても、それぞれ別銘柄として扱われるため、損益計算を口座ごとに行った上で合算して確定申告をしなければならないので注意しましょう。